2013年2月15日金曜日

Love Your Tata and Patti 私はサトウキビ

こんばんワニ。


もう日が変わりますが
今日はヴァレンタインデーでした。


赤いバラ!Ootyにて

今年のVDはなんだか不思議な一日でした。


実は今日、外国人というだけの理由で
セミナーでスピーチをすることになり
それでタミルナドゥでもみなーみの方、Palayamkottaiに行ってきました。

Payalamkottaiには
ミッション系の大学や病院が多く
南インドのオックスフォードといわれている笑
不思議な場所です。

ここにあるSt. Xavier's Collegeという大学で
Gerontologyをテーマにセミナーが行われ
それにゲストとして招待されたのです。。。

Gerontologyというのは私も聞いたことがなかったのですが
医療だけではなく社会的な諸問題等ひっくるめて
お年寄りのことを考えていこうという学問のことらしいです。

日本は高齢社会だから
政府もしっかりお年寄りの面倒見てるんでしょ
というのが企画者たちのイメージだったらしく
「日本でお年寄りが元気に気持ちよく生活できるように
政府が何をしているのか話をしてほしい」
と言われたんですね。

んでなんで私にそんな白羽の矢が立ったのかと言うと
たぶん、
もともとうちの大学の近くでホスピスを運営している人が
企画者と知り合いで(どちらも神父)
このセミナーに参加することになっていたので
どうせなら同じエリアで外国人がいたら連れてきて
みたいな流れだったのだと思います。。。

ある日突然クラス中に
私が敵扱いしているMBAコーディネーターから呼び出しくらって
なんなんだよと思ったら
「興味があるなら」行ってみないかと言われたので
テストのスケジュールとカブらないなら検討しますと返答したのに
次にコーディネーターに会ったときには
すでに私が行くと先方に言ってしまったあとだったようなのです。

コーディネーターの顔に泥を塗ってやりたかったので(ホント)
断ることもできたけれど
大事なテーマだし、
行ったら「発表しましたよ証書」がもらえるので
まぁ1日くらいいっかーと思って。

よくわかっていない介護や医療制度の仕組みなんかを
厚生労働省のサイトをあちこち見て勉強したりなんかして
やっぱ難しくてよくわかんなかったけど、
それまで何が問題だったのかは
なんとなくわかった。

なので自分にプラスになったのでよしとする。


お年寄りの面倒見ますという誓約の手形。。。

というのは実は「あとに起こった前置き」で
このホスピスに行ったことが
もっと自分の糧になったような気がするのです。


イギリスで神父として働いていたTさんが
イギリス人の女性とはじめた施設で
Dindigul地区で活動しているのですが
現在Chennaiにも施設を作っているそうです。

ホスピスというのは皆さんご存知だと思いますが
存命治療をやめて、人生の終わりを少しでも快適に過ごせるようにしてあげる
そういう施設です。

このホスピスはお金がない人たちのための施設。
つまりお金がなくて他の施設に入れない人
家族が面倒を見てくれない人
そんな人たちのための施設なんです。

亡くなるのを待つばかりの人だけ
というわけではなくて
知的障がいがあって路上生活をしていた若い人や
州外から来て働いていたような人
家族に虐待を受けていた人
などバックグラウンドはさまざまです。

インド+ホスピス
と言ったら
思い浮かぶのはマザーテレサのいわゆるマザーハウス
Kalighat, the Home of the Pure Heart: Nirmal Hriday
かもしれないですが
もちろんマザーハウスだけがインドのホスピスというわけではないです。

と、言うことも私はよくわかってなかったと思う。

こんな近くにこんな活動をしている人がいるなんて知らなかったし
ホスピスというのは死にゆく人だけの場所だと思っていたし
どういう人たちが集まってくるのか
どういう人たちがお世話をしているのか
さっぱり知らなかった。


おとといTさんと電話で話したときに
Tさんがホスピスをやっていることと
セミナーの前日(昨日水曜日)にホスピスに泊まって
当日朝早く出ましょうと言われたときは
ほ、ホスピスに泊まるの…?
と正直思ってしまったんですよね。

死を前に苦しんでる人たちの叫びが夜聞こえたりするんだろうか
とか思ってしまって。

昨日行ってみたらAutoで茂みみたいな道をズンズンいくので
やっぱりこんな、隠すみたいなところに作って…
といろいろネガティブなイメージばかりうかんでしまったのです。

でも到着してみたら
そんじょそこらの病院より手入れが届いているきれいな施設で
(もちろん新しいということもあるけれど)
花がたくさん咲いていて
拍子抜け。


けれどTさんに施設を案内してもらったら
なんていうか、それまで考えていたこととか
ホスピスのイメージとか
インドのお年寄りに対する考え方とか
なんか、180度変わっちゃうっていうか。

病気を患っている人、
精神を病んでいる人、
でもみんなTさんが来ると本当にうれしそうにするんですよね。

タミル語を話さない人も
とにかく何でもいいからTさんと話したいみたいで。

私の手をぎゅっとにぎって、離さないおばあちゃん。
ちょっと照れた感じでニコっとするおじいちゃん。
男の子。スタッフ。
夕方日が暮れて室内が暗くなってきたのに
あったかい空気にあふれてる。

その一方で

ハンセン病だと思うのですが
足が(おそらく)腐りかけている人。
頭皮がめくれてしまっている人。

排泄がコントロールできなくなってしまったので
床にたれ流しにするしかない人たちは
みんなと同じ部屋にいると感染症の恐れなどもあるので
壁のない一角に集められていて。

ワナッカム」(タミル語でこんにちは)と
私が手を合わせると
彼らも弱々しく手を合わせてにこりとするのだけど
もしかしたら彼らに次に手を合わせるときは
もう死んでしまっているのかもしれない
考えてしまうのです。


今までも精力的な活動をしているNGOスタッフに会うと
インドのNGOはすごいなぁ
こんなにみんながんばってるのに
インドで苦しんでいる人がたくさんいるのは
やっぱ政府のせいだ
とかしょっちゅう思っていたけれど

今回はなんていうか、感覚が狂うというか
感覚がにぶるというか、
ガツーンっていう衝撃より
今までの自分の価値観がゴミ箱に捨てられたような
そんな気分になりました。

ホスピスで働くのには
強い意志と本当に患者の人を愛する気持ちがないとダメ
とTさんが言っていました。

その通りだと思う。
とても難しい仕事だと思う。

冬は毎日平均ひとり誰かが亡くなる
そういう環境なのだそうです。

それをやってのけているTさん
他たくさんのスタッフ。

心から尊敬する。

自分は看護も介護も知識がないけれど、
お金もないけれど、
ここのおじいちゃんやおばあちゃんに
何かしたいと心から思っています。


このホスピスでは
マザーハウスと同じようにボランティアを受け入れています

宿泊・バスルーム施設がきちんとあり食事にも心配はないです。

医療経験などがある人の方がいろいろなお仕事ができるかもしれませんが
何よりもここに来て現状を見て
何かしたい、何かしよう
と考えることが一番大事だと私は思います。

南インドでこういった施設を見てみたいという方
Tさんにぜひ連絡してみてください。
もちろん私から紹介もできます。


今日のセミナーの企画者が

「今日はヴァレンタインデーですね。
学生の皆さんはウキウキしてるでしょう。
でもヴァレンタインデーや若い人だけのためのものじゃないんですよ
今年はおじいさんやおばあさんを愛する
そんなヴァレンタインデーでもいいじゃないですか

と言っていました。

そうだね。

Tata(おじいちゃん)とPatti(おばあちゃん)を
大事にする、そんな日だっていいじゃない。


 ●  ●  ●  ●  


ちなみに。

私の名前(みわ)

スワヒリ語で「サトウキビ

という意味だそうです。

スワヒリ語を話す人に自己紹介したら
「サトウキビ?ちょうだい!」
と言われるそうです。

なんだそりゃ。



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