こんばんワニ。
ある村にやってきた新任の先生。
村の先生たち専用の宿舎に住み込みで働くようになった。
その村で育った男性とその先生は恋に落ちる。
小さな村で二人のことはすぐに噂になったかもしれない。
この村では事件に値するようなことが起こる。
なんと先生は子どもをもうけていた。
彼女は身分の高い家の出身、彼にはそのころあまり収入もなかった。
彼には高嶺の花だったのだが、二人は愛し合っていた。
そのうち、先生の任期が終わったのか、それとも家族の圧力なのか、先生は実家に戻ることになった。
しかし彼女を忘れられない男性は彼女の村まで会いに行った。
もちろん、彼女の父は男性に彼女を会わせようとしない。
そしてある日、二人は駆け落ちした。
彼女が村の近くの川で水浴びをしようと出かけたとき、彼はやってきて彼女と逃げた。
そのまま二人はお寺に行き、祭司に結婚をとりおこなってもらった。
これは、携帯電話なんかない、手紙でのやりとりだけのころの話である。一体どうやってこの計画を立てたんだろうか。
そうして彼女は村に戻ってきた。
そのうち、彼女の父がやってきた。
今度は夫となった彼が、彼女には会わせないと言う番だった。
悲しみにくれた父は、せめて他の家族には会わせてやってくれと彼女の姉やその夫をよこした。
次第に彼も心を開き、彼女の家族を家に入れるようになった。
そうして少しずつ、彼と彼女、彼女の家族は和解していった。
20数年後。
この彼が、娘が身分の違う男性と結婚するのは許せないと言う。
この彼が、娘があまり収入のない男性と結婚するのは許せないと言う。
彼女は言った。
「あのときあなたは今のようにお金をたくさん持っていたわけじゃない。
でも私はあなたと結婚したのよ。」
でも彼は話を聞こうとしない。
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おわかりかと思いますが、
Veelinayakenpattiの
駆け落ち友人Sの家のその後の話です。
このお父さんとお母さんの話は20数年前ではかな~りスキャンダルなことだったんです。
でも駆け落ちどうのこうのというのはそのころでもたくさんあったことらしくって、今日Veelinayakenpattiに行った際に友人Cからいろいろと話を聞きました。
寮のルームメイトは同じ村出身のオトコノコと仲がよく、オープンキャンパスの日には彼がお菓子や花を持って彼女に会いに来ていた。ある日そんなオープンキャンパスの日に彼女の両親が訪問。同じ村出身の彼を見つけて「何してるんだ」と聞かれる。とっさに彼は「妹がここで勉強を…」と言ったけれど苦しまぎれのウソ。その後彼女の父は彼女にお見合いをさせようとする。それがいやだった彼女はある日、ガラスのバングルを割って飲み込み自殺を図ろうとした。寮長は即彼女を家に帰す。
別のルームメイトはそのころ男子オンリーだったカレッジのオトコノコと恋に落ちていた。ある日彼が交通事故にあい、彼女はどうしても彼のところに行って無事を確かめたかった。だが寮長は外出許可を出さない。とうとう彼女は門番にワイロを払って大学を抜け出す。帰ってきたら門番のシフトが変わっていて、事情を知らない門番は彼女を入れようとしない。寮長が呼ばれ、彼女も家に帰されることに。
などなど。20-30年前でもこんなことは当たり前にあった。村でも都市でも。
だから私の友人のことだって別に驚くことじゃない、というのが私のクラスメイトの反応だったのかなと今になって思うのだけど。
今日村についたときに、Sのうちを素通りしてCの家に来てしまったのだけど、CのうちについたらSの妹とお母さんが来ていました。
何かマジメに話していたようで、私の方をみて力なくニコっと笑い、また話を続ける。いつもは大歓迎でおおはしゃぎをしてくれるのだけど、こんなときだから仕方ないな、とちょっとさみしくは思っていたら、二人ともさめざめと泣き出す。
わけもきけずに話を黙って聞く。やっぱりSのことを話しているようでした。
数日前に、Sは見つかったの?無事なの?とCに聞いたときに「Sは無事よ。今は旦那さんの家にいるの。」と聞いていたので、あぁよかったと思っていました。
それに、妹の方も、以前に書きましたが、ボーイフレンドというか結婚したいのが親戚のオトコノコなので、まぁ問題はないよなと思っていたのに。
どうやら、お父さんは妹の結婚にも反対しているのだそうです。
その親戚のオトコノコは、お母さん方の親戚。つまりブラーミン(祭司カースト、もしくは最高カースト)。お姉ちゃんの方でモメていた、カーストに関しては問題ないじゃないと思っていたのに。
今度はお父さんは、彼のうちにはお金がないと言っているのだそうです。
この親戚のオトコノコは銀行で仕事をしているのですが、パーマネントではなくて契約か何かだそうで、お寺で祭司の仕事もしています。お父さんも同じように祭司として働き、お母さんも図書館で働いている。それだけがんばっていても、
Maduraiのような都市部では家を購入することはできず、賃貸に住んでいる。
というのがお父さんの気がかりなことなのだそうです…。
確かに、「あの家ではお金があまりにもないので、お客さんが来たときにティーショップでティーを買うときはツケでお願いするしかなくて、その日の夕方誰か家族がお金を持って帰ってきたら払っている」なんて聞くと、本当にお金がないんだなぁとは思うけれど。
妹ちゃんも
Chennaiの大学院を出ているから、今は
NilakottaiのNGOで働いているけどMaduraiの彼のうちに住んで、何かMadurai内で仕事を見つけることは可能なはず。
と思う反面、お父さんはきっと結婚したころお金がなくて、Nilakottaiの花市場でビジネスをしたりして、今はようやく自分の貸し物件を持てるようになったくらいだし、自分が苦労した分娘たちにはいい生活をさせてあげたいと考える、そういうのもよくわかる。
All You Need is Love! なんて数年前なら言えたかもしれないけれど、30を前に、私も将来のことを現実的に考えなくてはいけないと思うから。
けれど、お父さんも、妹も、親戚の彼も、みんな譲歩しなくてはいけないと思うわけ。例えば、彼も彼女もきちんと仕事をみつけて、将来のことがもう少ししっかり見えるようになってから結婚を許してくださいとお父さんに言うのであれば、お父さんも許してあげればいいじゃないと。
それなのに今はお父さんはお金のことばかり話しているとみんな言うんです。お金のある人とだけ結婚をさせたいのだと。それは違うんじゃないかなぁ。
それで…。
今日、お母さんと妹がさらさら泣いたあとに、Maduraiに行きました。オトコノコの家に行って、お父さんが結婚式に来ないと言っているけどそれは問題がないか、と相談に行ったのだそう。「でもすぐに結婚するってわけじゃないでしょう」とCに聞くと、数週間以内におそらく結婚の準備はできるだろうとのこと。えぇ。
何でも、お父さんが気にふれたようになっていて、早くオトコノコと結婚しないと何をするかわからないとみんな思っているらしいのです。昨日Cに「(妹ちゃんの)髪を少し切って、ショールと一緒に持ってきて」と言ったらしくて。なにやら儀式をして妹の考えを変えようという、黒魔術みたいなことをしようとしているんだそう。。。
どうしちゃったのよお父さん。
と思っていたら、お父さん方の親戚がCの家にやってきて、「お父さんがCを呼んでる」と言いました。昨日も今日もCのうちで、妹も含めてみんなで話し合ったけど結論は出ていない。だから話し合っても仕方ないし、自分の立場としてもどちらかの肩だけ持てないしとCがまごついていたら、「お父さんが歩いてくる」と親戚が言いました。
私も、今、どんな顔をしてお父さんに会っていいかわからないし、妹やCの話だけ聞いて一方的に「お父さんったら…」と思っていたし、毎日お父さんは泣いていること、糖尿もちの体調がずっとすぐれないことを聞いていたから、正直お父さんに会いたくなかった。
でもCの玄関先に来たお父さんを見たら、胸がいっぱいになってしまって。
お父さんは、家のことは自分が決める!というようなタイプの人で、いつもびしっとシャツを着こなし、ひどく具合が悪くても朝はきちんと毎日出勤という人です。3ヶ月一緒にいたから、お父さんがとても厳しい人だというのはわかっているし、朝の水浴び、ヒゲそりから夜のティーまで、お父さんの日課もよく知ってる。
そんなお父さんが、ぼさぼさの髪で、よろよろとやってきて、鼻水と涙をすすりながら、こうなんだあぁなんだと話をするのを見ていたら、お父さんどうしちゃったのよ…と思うしかなかったです。
何を言っているのかわからなかったけど、Cの反応を見ていたら、お父さんの話が支離滅裂なことはわかったし、Cも何を言っていいかわからないようでした。あとで聞いたら、お父さんは同じことを何度も繰り返して言っていたそうです。
本当は勇気を出して、「お父さん、自分のことを考えてみてよ。お金がなくってカーストが違っても、お母さんと結婚したじゃない。今はお金がなくても、二人は何とかやっていけると思うよ」と伝えてもらいたかったけど、そんなことを言ってもお父さんは聞く耳を持たないだろうなとわかりました。
お父さんに必要なのは泣くことじゃなくて、とりあえず健康第一にゆっくり休んで、これからのことは少し待ってから考えればいいじゃないと思うのだけど、そんなことも言えませんでした。
お父さんが全然食べていないんだろうなというのは明らかで、Cがいろいろと食事をすすめたけれど「吐いちゃうんだ」と全て断っていました。
そして話の途中で何度も何度もお父さんは泣いていました。お父さんが泣くのを見たのは、
私がインターンから帰るとき以来だった気がする。あの時こっそりキッチンで泣いているお父さんを見つけて「お父さん…」と思いました。でも今日、あのときとは全く違う気持ちで「お父さん…」と思いました。
そのうちお父さんはまたよろよろと家に戻っていきました。
この家族がどうしたらいいかわからないし、私がどう言ってあげたらいいか全然わからないです。自分はこう思う、というのはあるけど(お父さんDouble Standardじゃない?Hypocrite!)、それを言ってお父さんやお母さん、お姉ちゃんや妹、あとお兄ちゃん(はお父さんの考え方に賛成している)と仲が悪くなってしまうのもいやなのです。
ちなみに。
お姉ちゃんの方は旦那さんの家で大事にしてもらっているそうです。お父さんは旦那さんがコロニー(Scheduled Caste、不可触民の人たちが住んでいる、村の特別地域)でほったて小屋のようなところに住んでいると思っていて、お姉ちゃんがかわいそうだとなげいていますが、彼の家はきちんとコンクリで作っているようなおうちで、豪勢でないにしても、つつましく通常の暮らしをするのに不便はないとお姉ちゃんはCに伝えたそうです。ブラーミンダイエット(Pure vegetarian)で育ったお姉ちゃんのために、旦那さんの家族も肉魚を絶っているそうですよ。
お姉ちゃんと連絡がとれるらしいことはわかったので、いっぺん会いに行くつもりです。
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なんかいろいろ劇的な話をたくさん聞いたのだけど今日も要領オーバーです(ウェブログがじゃなくて私の脳みその話ね。。。)
朝からお腹いっぱい食べさせてもらい、私のお腹も要領オーバーさ。